イチロー現役を引退

 イチローが東京ドームでの対アスレティック戦、2試合を終えて引退を表明した。お疲れさん。MLB流ならおめでとうと言うべきだろう。今朝の愛媛新聞には求道者と書いていたが、その表現がぴったりとは思うが、彼が何故求道者と言われる生き方をしたか、この点に興味を感じる。

 それは彼の気質がそうさせたのではなかろうか。気質の捉え方は人により様々だが、クレッチマーの3分類で見れば、イチローはS型であろう。このタイプの人は自分が関心を持つこと、自分にマッチングすることはとことん追求し、哲学者的な印象を与える。一方他人とつるんでことを為すと言うことは無い。それが求道者と言う印象となるのだろう。

 以前イチローの打球方向の分布図を見たことがあるが、全方向に満遍なく飛んでいた。これは彼がバッティングをとことん追及した結果であろう。

 会見の中で一人の記者が、「今後は監督・コーチとして後進の指導を・・」と言ったら、彼は即座に「監督になることは絶対にありません。何故なら僕には人望がないから。」と答えた。「人望が無い」のではなく、彼のようなタイプは「人とつるむことが出来ない」からと見るのが正しいと思う。そして、自分の気が乗らないこと、自分の意に反すること等を、自分を押し殺して遂行するなどは一番の苦手であり、それをやり遂げるのは殆んど不可能だと思う。S型の人にそのようなことを押し付けたら、その人を殺すことになる。松井秀喜とは全然違うタイプの存在で、どちらも日本が生んだ一級の野球選手であるが、その扱いは全然異ならねばならず、そこが難しい。