東京では桜に雪

 東京では桜が咲いているのに雪が積もったとニュースで大きく報じているが、これは珍しいことではない。東京で沢山雪が降るのは、昔から3月・4月、つまり暖かくなり始めた頃である。桜田門外で井伊大老が暗殺されたのは旧暦の3月3日。今の暦では4月である。

 そもそも東京では真冬の間は余り雪は降らない。真冬の寒さはシベリアから来る寒波によるものだが、これが運んで来る日本海の湿気は山脈にぶつかって殆どを裏日本側に落としてしまい、関東平野の南端の東京までは到達しない。3月、4月になり寒波がまだ残り、そこに南から低気圧がやって来て、太平洋の湿気をたっぷりと運んで来ると、両者がぶつかって雪を降らせ、時には大雪となる。昭和44年だったと思うが、3月に2回、4月始めに1回大雪が降り、交通機関が停まってしまい、帰宅出来なくて会社に泊まったことがあった。今年も似たような状況のようだ。