黒瀬ダムの松山分水構想が事実上中止に

 15年以上続いた県営黒瀬ダムの松山市への分水構想が事実上中止となった。愛媛新聞の記事を一部引用する。

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 県営黒瀬ダム(西条市)の水を利用する松山分水を巡り、西条、新居浜、松山の3市と県でつくる「水問題に関する協議会」の第16回幹事会が22日、県庁であった。ダムを活用し、松山・西条両市の水問題を一緒に解決するとした2015年の県提案に対し、西条市が「分水につながる」として応じないことを理由に、県が広域調整からの撤退を正式表明。15年以上議論が続いてきた黒瀬ダムからの分水構想は、事実上中止となった。

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 要するに松山市が黒瀬ダムの水を分けて欲しいと要請しても西条市が断り続けているので、県が調整役を降りたので、この分水構想は事実上ご破算となったと言うこと。

 まあ、当然の結果だろう。松山の石手川ダムも西条の黒瀬ダムも距離的に近く、どちらも天候に依存する以上、松山が渇水でも西條の水は豊富に有ると言う保証は無い。松山市は他所のダムの水を分けて呉れと言うのでなく、天候に依存しない水源の確保を考えるべきだろう。つまり、海水の淡水化だ。その装置の製造工場が松山市にあるのに、何故それを考えないのか不思議でならない。水道料が高くなることを理由としているが、費用がどうこうと言う問題では無かろう。気象の異常さが年々激しくなって来ているので、渇水の危険性は益々高くなるのではないか。

 松山市は地形の関係で雨が非常に降り難い場所である。一方、目の前が海。そのような場所であるからには、採るべき方策は海水淡水化しかない。平成6年の大渇水から既に25年が経過している。言い換えれば25年間何も対策して来なかったことになる。喉元過ぎれば何とやら。余りにも呑気過ぎないか。猛省を望む。