クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号への対処は日本の責任ではない

 日本政府がダイアモンド・プリンセス号の乗客乗員を船内に留めて検疫を行なったことを、ワシントン・ポスト紙が人権蹂躙と非難したそうだが、これは明らかに的外れである。

 同号は日本船籍でなくイギリス船籍であり、運航しているのはアメリカの会社である。従って管轄権はイギリスにあり、同号内で発生した新型コロナウィルスへの対処の責任はイギリスもしくは運営会社にある筈だ。同船はあちこちを周航しており、新型肺炎発症時にたまたま横浜港に入ろうとしていたのであって、これがもしも他の港、例えばシンガポールに入港していたなら、シンガポールに対処責任があると言うのだろうか。日本は同号の入港を拒否することも出来た筈である。拒否せず検疫を行なったり、発症者を入院させたり、医薬品や食料や燃料を供給したりしたことを感謝されても可笑しくない。それにも拘わらず、全員を船内に留めたことを人権蹂躙と言うなら、4000人分もの個室の有る空き施設など我が国には存在しないことも踏まえ、日本は寄港を拒否し、同船の管轄権を持つイギリスか、運航会社の有るアメリカにお引き取り頂くしかない。その場合、検疫は遅れ、感染者は今より遥かに多くなる恐れもあるが、馬鹿な批判をする奴らが居るからには、そのような状況が起きても止むを得まい。今回の件を踏まえ、国際的に対処法を根本から議論すべきえある。