大阪高裁の靖国参拝違憲判断の奇妙さ

YOMIURI ONLINE「小泉首相の靖国参拝は違憲…大阪高裁が高裁初判断」と題して大阪高裁の大谷正治裁判長が下した判決を報じている。奇異な印象を受けるのは、「違憲だが慰謝料請求は棄却」では論理的な筋が通らないと思うからである。報道によると慰謝料請求を退けた理由が「参拝を奨励したり、祭祀(さいし)に賛同を求めたりしたものではなく、控訴人らの権利や利益が侵害されたとはいえない」であるなら、違憲であるかないかを言う必要はないのではないか。今回の判決は被告側は勝訴なので、違憲と決め付けられながら控訴できなないと言う。これは著しく公平さを欠く。違憲か否かと言う重大な問題に判断を下すなら、原告・被告ともに最高裁で争うことが出来る形を取るべきである。それを何故か控訴できない形とした今回の判決は、裁判官としの資質を疑う。この点が是正されないなら、今回の違憲判断は大谷裁判長の単なる私見と見做し、何ら拘束力なしとするのが至当であろう。