赤崎勇さん逝く

 エジソン以来の照明を根底から変えてしまった青色LEDの発明者であり、光を用いるあらゆる分野に変革を齎した赤崎勇さんが4月1 日に肺炎で亡くなったとのニュースが流れた。青色LEDは研究者が皆開発不可能を諦め撤退してしまった分野で、或る学会で赤崎さんが論文を発表してもその分野で参加した研究者は赤崎さん只一人だったため、全然反応が無かったことも有ったと聞く。将に巨星墜つと言う感じがしてならない。

 実を言うと小生が神戸工業に入社した最初の一年間、赤崎さんと同じ下宿でお世話になった。所属も同じ技術部で、小生は第一技術部で勤務先は神戸、赤崎さんは第二技術部で勤務先は明石、部長はどちらも有住徹彌博士。赤崎さんは本当に素晴らしい方で、勤務地も違い、仕事の上での接触は余り無かったが、個人的なお付き合いはずっと続いて居た。心からお悔やみを申し上げたい。

 当時の部長であった有住徹彌博士は、部下から二人もノーベル賞受賞者を出している。これは凄いことだた思う。有住さんは一流技術者・研究者の指導者であった。他にさきがけて日本に半導体を導入し、日本最初の半導体工場を立ち上げた功績は大きく称えられて良いと思うが、神戸工業が富士通に吸収され、名が消えてしまったためか、殆ど語られなくなってしまった。