アメリカは拉致問題に関係なく北朝鮮のテロ支援国指定を解除するのか

先月27日の日米首脳会談で、同席したライス国務長官が、米国内法の観点からは拉致問題の解決が指定解除の前提条件にはならないとの解釈を説明し、これを踏まえた上でブッシュ大統領は「拉致問題も考慮に入れる」と明言したと伝えられている(ココ)。ところが共同通信は、

米国のプリチャード元朝鮮半島和平担当特使は9日、米政府がベルリンで今年1月に核問題をめぐる北朝鮮との2国間協議をした際、北朝鮮が核施設を使えない状態にする「無能力化」の履行段階に入ればテロ支援国家指定を解除する用意があると伝えていたと明言した。

元特使によると、米国のヒル国務次官補と北朝鮮の金桂寛外務次官はベルリン協議で、北朝鮮寧辺にある核施設の稼働停止・封印など「初期段階措置」の履行過程で指定解除に向けた作業を始め、次の「無能力化」の段階で「完全に(テロ支援国家リストから)削除する」ことで合意した。(ココ

アメリカの本音はどっちななのか。拉致問題に知らぬ顔で指定を解除する気なのか。もし指定解除となれば、日本が拠出した資金が北朝鮮に流れることになる。そのような事態は日本としては絶対に受け容れるわけにいかない。アメリカが同盟関係にひびを入れるようなことはしないと信じたいが、日本政府はもしもの場合における対処法を準備しておくとともに、アメリカにもう一度念を押すべきだろう。