経済制裁、経済封鎖が戦争行為であるとしたら

西尾幹二氏が『【正論】西尾幹二 敵基地調査が必要ではないか』で、

経済制裁、経済封鎖が戦争行為であるとしたら、日本は北朝鮮に対してすでに「宣戦布告」をしているに等しいのではないか。北朝鮮がいきなりノドンを撃ち込んできても、かつての日本のように、自分たちは「自衛戦争」をしているのだと言い得る根拠をすでに与えてしまっているのではないか。

と重大な指摘をしている。どういうことかと言うと、東京裁判アメリカ人のウィリアム・ローガン弁護人は、パリ不戦条約の起案者の一人であるケロッグ国務長官が、経済制裁、経済封鎖を戦争行為として認識していた事実を紹介し、日本に対する経済的圧力が先の戦争の原因で、戦争を引き起こしたのは日本ではなく連合国であるとの論証を行ったが、この論理に従えば、北朝鮮に対する日本の経済制裁は、北朝鮮に対する戦争行為となる。マッカーサーも米議会で、あの戦争は日本にとって自衛のための戦争であったと述べたが、これを承認するなら北朝鮮がノドンを撃ち込んできても、それは自衛のためだと言い張る論拠が存在することになる。
西尾氏はこのように考えると、日本が経済制裁に踏み切った以上は、次の段階に対する十分な備えがなければならないと説いている。
北朝鮮経済制裁は宣戦布告と看做すと言った。それにはこのような根拠があるとは気がつかなかった。この認識を欠いては、政治音痴、軍事音痴と言われても仕方無いであろう。日本は腹を括って北朝鮮と向き合わなければならない。