定見無く原理原則をないがしろにする民主党

北朝鮮の核実験問題で、与野党が26日の衆院本会議での採択を目指した北朝鮮に抗議する国会決議の原案作成のどたばたは、呆れるほかは無い。全党一致での決議を実現しようとする自民党民主党に起草を要請。民主党が作成した原案には、北の核実験が国連決議違反であることを明記せず、北に対する日本独自の制裁など断固たる措置を求めることも盛り込まれてなく、北朝鮮に遠慮した及び腰の内容だった(ココ)。ところが自民党役員連絡会で、「国連決議違反だとも書いてない。共産、社民両党に配慮したのかもしれないが、原理原則を曲げてはいけない。衆院と(野党が多数の)参院の決議が違ってもいいから、きちんとした決議にしよう」と批判が起きた。
深刻な事態に気付いて自民党国対委員長は26日朝、国対会議で「全会一致になるか分からないが、考え方を改めた。自民、公明両党だけでも決議する」と宣言し、こうした意向を民主党に伝えた。民主党自民党に「野党の分断をねらったのか」(民主党衆院議院運営委理事)と不満を伝えたが、最後は自民党の方針転換を容認したばかりか、民主党国対幹部は社民党国対委員長に電話し「核実験やったんだぞ。賛成しないと世論に批判されて持たないよ」と、世論を持ち出す説得まで行い、最終的には全会一致で採択されたと言う(ココ)。
自民党閣僚経験者の一人は野党の豹変は選挙が近いからだと言ったそうだが、選挙のためなら態度を180度ひっくり返すことも厭わないのは、民主党には原理原則も理念も存在しないことを自白したようなもの。最初の原案で北朝鮮の不当な行為を咎めなかったのも、鳩山の友愛の精神から出たものか。こんな党が政権を取ったら日本はとんでもないことになる。