民主党鳩山内閣発足

いよいよ鳩山内閣がスタートした。選挙が終わってから随分長く掛かった。
民主党は様々な人参と飴をぶら下げて見せている。これを見るとローマがバンとサーカスで滅びた歴史が頭を過ぎる。政権交代は民意だったと言う。民意に従うのが民主政治だと言う。民主党は選挙に当たって、国民の生活を良くするとして、児童手当の支給、農業所得の補償、高速道路の無料化など、これでもか、これでもかと飴を沢山提示した。だがこの国がどうあるべきか、それにはどうすべきかについては、何も言っていない。それどころか、故意に隠したと言われても仕方ないだろう。
新政権発足直後の街頭インタビューでも、人々の言うことは生活のことばかり。民意を反映することこそが民主政治であり、その民主主義の枠組みを崩してはならないが、我が国はどうあるべきか、それにはどうすべきかと言う理念が根本になければならぬ。その理念を論じ、理念に立って物事を論じること無しに、パンとサーカスだけで支持を得ようとするのは、国民を政治的盲目に置く行為であり、結果はローマの二の舞になる。鳩山政権も国民もマスコミもこの点を念頭に置かねばならない。
今一つ。民主党が提示した飴の財源を捻出するため予算を見直すとして、予算の執行が一部停止された。そのため地方行政は動きが取れず、止まったままの状態になっている。この損失は大きい。政治を停めてはならない。政府は即刻手を打つべきである。浮かれている暇はない。
鳩山内閣は次官会議を廃止したらしいが、これはヒットである。良いことは誉めておく。
鳩山首相は政治にモノを言って欲しいと言ったが、言われなくても遠慮なく言うつもりだ。参画し、育てて欲しいとも言ったが、育つかどうかは自らに掛かっていると知るべきである。