党議拘束を外して政治家一人ひとりの見識を示せ

オバマ大統領は野党の共和党議員を賛成に廻らせて、遂に医療改革法案を可決に持ち込み、国民皆保険実現に漕ぎ着けた(ココ)。本件は歴代の大統領が何度も挑戦して実現できずにきた難問中の難問の政治課題であって、国民が誰でも健康保険に加入できるようにした歴史的意義は極めて大きい。
このようなことが出来たのは、アメリカでは党という大枠はあっても、投票に当たって日本の議会のように党議拘束を掛けず、最終的には個人の判断を尊重する慣行があるからである。
法案の採決を党議拘束で縛っていては、議員はそれぞれの党の主義・主張に従って行動するだけで、実質的な討論をして真に議案を審議することが無く、数で総てが決まってしまう。これでは党内で実験を持つ一部の人の意向で総てが決まり、議員の質も政党の質も上がらない。
須らく我が国の国会でも、総ての党は党議拘束を掛けることを止め、議案の審議に当たっては政治家一人一人が自分の見識を示して丁々発止の議論を展開するように改革することが急務である。議員は質問し、政府は答弁するだけと言うあり方を根本から改革しなければならぬ。