大河ドラマ義経の馬鹿らしさ

最初の2回見て、余りにも馬鹿らしいのでその後全然見なかったが、今日は屋島合戦と言うことで、どのような描き方をするか久しぶりに見ることにした。見て矢張りがっかり、もう止めた。
吾妻鏡平家物語も完全に無視した、宮尾登美子の創作劇でしかない。史実などはどうでも良いらしい。ドラマでは義経は田口教能(田内左衛門教能)を味方につけたとしているが、これは完全に史実無視である。両書とも教能は伊予の河野通信を攻めに出かけていて、この時不在であり、屋島陥落後に戻ったが、伊勢三郎にうまうまとだまされて降伏したと記している。
次に、ドラマでは伊勢三郎に「間も無く源氏の大軍も河野水軍も到着するので、教能勢が三千では勝ち目がない。田口水軍が滅びるのを見るに忍びない。」と語らせているが、田口水軍がここで義経に味方したとすると、壇ノ浦合戦で田口氏が最初平家方につき途中で源氏に寝返ったことをどう描くのだろうか。
ただここで河野氏義経側としているが、以前宮尾氏は河野氏壇ノ浦合戦の時義経に誘われて源氏側に寝返ったとしていた。これを誤りとして修正したのか、興味を惹く。
今一つ。次回に弁慶が紀州に走るらしい。白と赤の鶏を闘わせる場面が出るようなので、湛増口説きに行くのだろう。だがこの時湛増はもう屋島の近くに来ている。何故なら両書とも源氏勢と河野通信だけでなく、熊野別当湛増も同じ日に到着したことを記している。弁慶は今頃何しに紀州へ走るのか。これでは史実を無視したおちゃらけドラマ。歴史ドラマなどと言って欲しくない。