寶巌寺本堂扉の紋

寶巌寺本堂扉の紋は、丸の一番上と下が切れている間違いないが、板の継ぎ目と紛らわしく、特に左側の扉は見分けがつきにくい。右側の扉は板の継ぎ目ではなさそうに思うが、写真では何とも言えない。現物で確かめるしかない。板の継ぎ目でなければ「竹の輪に九枚笹」に間違いないが、即断は禁物。仮に「竹の輪に九枚笹」紋だとなった場合、この紋を使っている愛知県一宮市の真清田神社と何か繋がりがあるのだろうか。
 故足助氏は大江氏の紋と仰ったそうだが、大江氏がこの紋を本当に使ったことがあるのかどうか、はっきりしない。紀氏の紋だと言う人もいるが、紀氏が使った紋の中に笹紋はあるものの「竹の輪に九枚笹」紋は見当たらなかった。
 そのような状況で、寶巌寺本堂扉の紋は今のところ何に由来するのか不明であるので、真清田神社に極めて似た紋が使われているのは注目すべきかもしれない。