四国中世史研究第8号購入

まだ一つしか読んでいないが、どれも非常に面白そう。読んだのは桑名洋一氏の『天正期伊予における「境目」領主についての一考察 −新居郡国人領主金子氏の動態について−』で、この論文では河野氏と長宗我部氏が戦ったことを示す一次史料が存在せず、逆に織豊に対抗するため毛利・河野・長宗我部が金子氏を媒介として連携しようとしていた形跡があることが論じられている。この論文はまだ仮説であるが、この説に基づいて見直すと、多くのことがすっきりと理解出来るそうで、注目に値する。
史料紹介に土居聡朋氏の『東大史料編纂所所蔵「村上文書」について』が載っており、先日の愛媛新聞の記事の出典はこれだった。ここでは村上文書5点全文が紹介されている。新聞記事の「村上氏は毛利についていたと見られている」との文言は、推測した通り取材した記者が話を取り違えたか何かで筆が滑ったもの。