個性豊かな野洲高校が優勝

高校サッカー勝戦は素晴らしい試合だった。怒涛の攻撃の鹿児島実業と、優れた個人技を活かして多彩な攻撃を見せる野洲高校。両者とも持ち合いを十分に発揮した。鹿実の分厚い攻撃が結実したのが同点ゴールであり、野洲の特徴を遺憾なく発揮したのが決勝ゴール。決勝ゴールはプロでもそうそうは見れない見事さ。中央から左へ、左から右へと速いパスを廻して守備陣を撹乱し、最後はまた左から中央へ、そこに2人が飛び込んでゴール。その起点となったのが、速いドリブルで突っ込んで行った選手が相手をひきつけてから、ヒールパスで後ろの選手にボールを送ったプレイ。見事と言うほかはなく、これで守備陣のマークは完全にはずされてしまった。日本にもブラジルのサッカーを彷彿とさせる、想像性と創造性溢れるチームが出て来たことは嬉しい。ボールが行くところ必ず野洲の選手が居て、ボールの奪い合いでは野洲が勝つことが多かった。フットワークや体の入れ方、先の読み、これらが身に付いているからであろう。ドリブルも素晴らしく、2人、3人掛りのマークを簡単にかわしてしまう。野洲高校の優勝は日本サッカーに及ぼす影響は大きいと思われる。大いに楽しみだ。