コダックのびっくりデジカメEasyShare V570

デジカメは3倍ズーム、10倍ズームと言っても、広角側は35mm程度が限度で少々物足りなかった。コダックのEasyShare V570は3倍ズームレンズと23mm短焦点レンズの二つを装備し、両者を切り替えて使うと言う。光学系を2つ装備するのは意表を衝く力技で驚いたが、技術の進歩でレンズなどが安価となった現在では、考えて当然の構成だったかも知れない。
これを見て高推力ロケットの開発のエピソードを思い出した。人工衛星ソ連に遅れを取ったアメリカは、国の威信を賭けてソ連に追いつき追い越せと、高推力ロケットの開発に挑んだ。しかしその試みは悉く失敗に終わり、ソ連がロケットの高推力をどのようにして実現したか全くの謎であった。その時、一つのロケットで大きな推力を得るのが難しいなら、ロケットを幾つか束ねたらどうかと発案し、これで漸く大きな人工衛星の打ち上げに成功した。その後で判ったことだが、実はソ連もロケットを束ねていたのだった。デジカメのレンズを二つにしたのも類似の事例である。一つで駄目なら複数使え、と歴史は繰り返した。
難問解決についてもう一つ思い出したことがある。我が国のロケット開発の初期、打ち上げたロケットの第一段を切り離したら、それが前段に追突してしまった。その問題を何とか解決したら、ロケットは追突するものだと教えて呉れたと言う。アメリカも経験していたのだった。ロケットを束ねる件も、アメリカが気が付いて解決するまでソ連は明かさなかった。難問は自力で乗り越えるまで解決法は誰も決して教えて呉れない。