「下りもの」と「下らないもの」

TVをぼんやり見ていたら、司馬遼太郎が「下らないもの」の語源を調べて書いていると言う。この言葉は「下りもの」の反対語で、「下りもの」とは京から下ってきたもの、つまり上等なものを言うのだそうだ。昔京の上流階級は一度着たら直ぐに古着屋に売ってしまう。その品は1週間か10日もすれば遠く青森までも届く。それらはぼろではなく、流行の先端の品であり、それを京から下って来たもの、即ち「下りもの」と呼ぶのだそうだ。「下らないもの」とはその対極の品を指すと言う。
また、講師の一人(名は見損なった)が司馬遼太郎の死の一年程前に、日本人が心がけるべきことは何か訊ねたら、「名こそ惜しけれ」と言う言葉をもう一度噛み締めることだと述べたと言う。