新現代病「パソコン指腱鞘炎」

去る10月8日のSankeiWebに、『「パソコン指腱鞘炎」 クリック誘発“新現代病”』と題する下記の記事が出ている。

パソコンと接する時間が増えたシニア世代に、“パソコン指腱鞘(けんしょう)炎”ともいえる症状の事例が出始めている。マウスのクリックを繰り返すことにより、指の腱鞘を傷めるもので、加齢とともに指の腱鞘が硬くなっていることが発症の一因という。専門の医師は、マウスの長時間連続使用を控えるよう呼びかけるとともに、症状に気づいたときの早期の治療を促している。(津川綾子)

これは頻繁にマウスをクリックすることにより起きるもので、左クリックする右手人差し指の付け根に痛みを感じるようになるケースが圧倒的に多いであろう。理屈から言えば打鍵回数の方がクリック回数より遥かに多いが、キーを打つ時は指を立てることが出来るのにくらべ、クリックの際には人差し指が平らに寝た格好になる。そのため指の付け根に無理な力が掛かるので、マウス操作で指の腱鞘炎と言う症状が出ると思われる。
この対策としては、左クリックを中指で行うのも一つの手だ。人差し指にくらべて中指は長いので、指を立ててクリックでき、付け根に無理な力が掛からない。ピアノでも打鍵する際に手を丸めて指を立てろと喧しく指導しているが、キーを打つ時でもマウス操作でも同じである。繰り返し無理な負担を掛けたら筋肉でも腱鞘でも傷むのは当然のこと。合理的な姿勢は何事でも基本中の基本と知らねばならぬ。
【追記(061012)】
中指を立ててクリックすると言うと、若干誤解されるかも知れないので補足する。中指をマウスの左側に当てると、自然と人差し指も同じ側に掛かり、しかも2本共指先を立て易い。その2本の指の重さが初めから掛かっているので、それを利用することにより僅かな力でクリックできることになる。人差し指を無理に外す必要はない。不自然な格好でなく、自然な状態で操作することを心掛けることが肝要なのだ。