谷屋訪問

谷屋とはちょっとした縁がある。数年前、河野通時と姫の比翼塚を調べていた時のこと、どちらが通時でどっちが姫の墓か判らず、丁度墓掃除に来ていた若い女性に訊ねたことがある。その女性が谷屋のお嬢さんで、道後の古い写真もあるので、母に言えば見せて呉れると思うと言われた。だが、直ぐに行くのも厚かまし過ぎると遠慮が先立って、遂に行かずに終ってしまった。
今日近くまで行ったので思い切って訪問したところ、女将が快く中を案内して見せてくれた。宣伝もせず、団体客は狙わず、個人客のみを対象とし、自分の家に居る気分になれるようもてなしたいと言う。部屋数は7つ。風呂は温泉の湯のみで、水の蛇口はない。正真正銘、100%温泉という訳だ。図書室も設け、地元の歴史に関する本を置く。女将自身が道後小学校百周年に際し、地元のお年寄から聞き出したことを纏めて本を創った経験の持ち主。地元に根ざしたもてなしをと言う考えには大いに期待したい。値段は一泊一万数千円と少々高い。道後では仕方ないのかも知れないが、もう少し安ければと思う。