失ったものの大きさ

昨夜、写した写真の中から、送るものを選び出し、5枚プリント。神戸から持ち帰った父の着物を纏わせた写真を見ていたら、急に寂しさがこみ上げて来た。医者の診立てを遥かに越えてここまで生きたのだから、本人も周囲も楽になり、これで良かったのだと思っていたが、それは他人の言う言葉だった。どんな状態であっても生きて居てほしいと言う義姉の気持ちが切なく胸に迫る。義姉はこうも言った。元気なうちは5分とじっとしていない人で、いつも飛び回っていたが、病気になってやっと私のところに戻って来てくれた、と。慰める言葉が出なかった。ここまで思われて兄は幸せ者。失われたものの大きさが見に沁みる。今頃父や長兄、妹と語り合っていることだろう。