台湾に逆転勝ち

今日のダルビッシュは良くなかったが、悪いなりに2点で抑えたのは、まだ若いのにエースと言われるだけのことはある。圧巻だったのは2点を取られた直後の7回表の攻撃。村田がデッドボールで出た後、稲葉が初球を右前にヒット。ここは送りバントもあったが、四死球直後の初球を狙えと言う鉄則通りの攻撃だった。これで無死二塁・一塁になり、二塁ランナーを宮本に代えた。これがこの試合を分けた好采配になったが、それが判ったのは次のプレイの時。次打者の里崎は送りバント。これは誰しも予想したが、ここで宮本が珠玉の走塁を見せた。バントはやや強く投手に右前。下手したら三塁・一塁のダブルプレイの危険がある。宮本は三塁ベースに右足でスライディング。左足は三塁手の足と絡み、そのため野手は転倒し一塁へ投げられない。宮本の走塁は三塁でフォースアウトになっても、ダブルプレイは防ごうとしたもの。結果は三塁も間一髪セーフで相手投手のフィルダーチョイスが記録され、無死満塁となる。この走塁はベテランならではの隠れたファインプレイ。
次の打者に対してストライクが入らず2ボールとなった。当然ピッチャーはストライクを取りに来る。そこをスクイズ。これは誰も予想しなかったのだろう。文句なしに成功し同点。この二つのプレイで台湾はがたがたになってしまった。その後つるべ打ちで6点を取ってしまった。まさにピストルの連射であった。
9回表にも新井の2点ホームランの後、2塁打で出た阿部に代えた代走の荒木が、宮本のライトフライでタッチアップから三塁へ走る。荒木の足に慌てたのかライトが悪送球し、難無くまた一点。もう勝敗には関係ないが、笠に掛かって攻め立て、ダメを押したこの采配とプレイも見事。
星野監督の打つ手が皆壺に嵌まったし、監督の狙いを悉く実現した選手たちの働きも見事と言うほかは無い。星野監督のチーム作りは大成功と称えられよう。来年のオリンピックの時は大砲も復帰し、打線はより強力になるだろう。監督、コーチ、選手たち、それと多くのスタッフの皆さん、おめでとう。そしてお疲れ様でした。最高のオフを過ごして下さい。