都賀川の鉄砲水は山間部の豪雨による

今しがたテレビで都賀川の鉄砲水の分析を放映していた。それによると、鉄砲水が押し寄せる直前まで市街地には降っていなかったと言う。つまりあの鉄砲水は山間部に降った豪雨によるものと言うことになる。その雨量は20分間に30mmだそうだ。濁流の流速は8m/秒、つまり俊足ランナーのスピードに近い。
1時間に100mm前後の雨量では河川が一気に増水することは避けられないが、山林が広葉樹林であったなら、降った雨はかなり土中に浸み込み、これほど一気に増水することは無かったのではなかろうか。六甲山の樹林がどのような樹木からなるのか知らないが、短時間で一気に増水したことから見ると、やはり針葉樹林が主で、そのため降った雨の大部分が川に流れ込んだように思われる。河川を整備するには先ず山の整備が肝要である。
昔の人は海の民が山を大事にした。愛媛県大三島にある大山祇神社は海の民の信仰を集めている。大山祇神社は山の神である大山祇神を祀る神社である。海の民が何故山の神を祀るのか。それは荒れた山の下流の海は痩せており、豊かな山の下流は海も豊かであることを知っていたからだそうだ。故に海の民が山の神を大切にしたと言う。近年でも或るダム建設に漁民が反対したことがあった。それも同じ理由からだった。河川整備に当たっても、先ず山を整備することから始めなければならぬ。山も川も海も総て繋がっていることを知っていた古代人は凄い。我々現代人は先祖の古代人の認識に学ばねばならない。