新居浜で官衙関連遺構を確認、その一方で・・

愛媛新聞によると、新居浜官衙跡と見られる遺構が確認された。場所は新居浜市本郷1丁目の本郷遺跡で、一帯は律令制で新居郡新居郷に属しており、県埋蔵文化財調査センターは「地名の本郷から、この地域に郷家があったという説が有力だったが、役所の存在が初めて裏付けられた」としている。同遺跡で、平安時代(9〜10世紀)の大型掘っ立て柱建物3棟の柱穴などや、上級階層に限られた火葬墓や当時の高級品とされる緑釉陶器も出土しており、官衙関連施設の可能性が高いと言う。県内では、旧西条市以東で官衙関連とみられる遺構を確認したのは初めて。
平安時代の遺構が発見された一方で、県は、四国中央市土居町の埋蔵文化財包蔵地の一部を、文化財保護法で定められた事業計画通知を行わないまま、違法に土砂採取場として掘り返していたと発表。その現場は未発掘の戦国期の城跡があったとされる里城跡(さとしろあと)で、豊臣秀吉の伊予侵攻で小早川隆景に討たれた地元の武将・薦田義清の城があったとされる(郷土史「西条誌」)。県東予地方局の担当部長は、現場はミカン農地で、埋蔵文化財包蔵地に該当するとは思いもしなかったらしい。包蔵地であるかないか、事前の確認を怠ったのは明白で、文化財に対する意識が欠落した許し難い怠慢である。