鳩山は依然としてブレ捲る

鳩山首相は4日に「辺野古は生きている」と言い、5日には「日米合意も重要だ」と語った。漸く腹を括ったのかと思ったがさに非ず、今日は「辺野古への移設は簡単じゃない」と、依然沖縄県外への移設に拘っている(コ)。

鳩山首相は7日朝、「アメリカの方からは、そういう(辺野古移設の)要求は来ています。ただ、そう簡単ではないのもご案内の通り。連立政権でもありますし、また、沖縄の皆さん方の期待感は別のところにありますからね」と述べた。また、6日の岡田外相との会談では、日本政府の考え方をどうアメリカに伝えるのか協議したことを明らかにした。
岡田外相は5日、沖縄県で「日米合意を守らなければ、信頼関係をどれだけ維持できるのか自信を持って言えない」と話していて、鳩山首相に強い危機感を伝えたものとみられる。一方、鳩山首相は、社民党への配慮などから沖縄県外への移設に依然こだわりを持っており、政権内の調整はなお難航が予想される。

このままでは日米交渉決裂か、連立の崩壊かのどっちかしかない。普天間飛行場は県外か国外へと沖縄県民の期待感を煽り、福島瑞穂のおどしに年内決着はしないと言質を与え、一方アメリカの態度は硬く、にっちもさっちも行かなくなってしまった。
このような事態を招いたのは、事前に十分な調査・検討を行わず、政府としての基本方針を固めていなかったためである。その上、場当たり的な発言を繰り返してその場凌ぎに汲々とし、挙句の果てに動きの取れない状況に追い込まれてしまった。この上は枝葉の問題は切り捨てて、国の将来にとって大事なのは何かを見極め、決断するしかない。COP15に出席する首相は、オバマ大統領と首脳会談を行い、そこで日本の考えを伝えるらしいが、日米合意の線に立ち戻るのか、総てご破算を選ぶのか。どちらにしても政権の運命を賭ける覚悟が無ければなるまい。