鳩山政権初の「新成長戦略」の基本方針
鳩山政権の「新成長戦略」の基本方針を決定した(ココ)。環境や健康分野などでの新たな需要創造によって、2020年度に経済規模(名目GDP)を2009年度見込みの473兆円から650兆円程度に拡大させる目標を掲げ、2020年度までの平均で、名目成長率3%、実質成長率2%を上回る成長を目指すと言う。
つらつら眺めながら考えても、全体像が頭に入らない。軸が無いから項目の羅列にしか見えない。各項目ごとに目標と施策を掲げているが、関連が読めない。全体を図解して欲しいものだ。
我が国の今の不況は、国全体に活力を失っているのが一番大きな原因ではないのか。成長期には途方も無い目標に挑戦する情熱と活力があった。国民全体が情熱に燃え、活力に満ち溢れていた。その情熱や活力はどこかに消えうせ、政府に何とかしてくれと支援依存症に罹ってしまった感じがする。それに対し政府は、所得補償だ子供手当てだと、バラマキに懸命だ。所得補償は、戦後の農業政策が日本の農業をダメにしたことを教訓としない悪政の最たるもの。
新成長戦略に「戸別所得補償制度の導入などによる農林水産分野の成長産業化」と謳っているが、所得が補償されれば安住し、改善は期待できない。支援すべきは自助努力に対してである。自助努力を応援し、各方面に広がって行けば、昔の活力を取り戻すことも夢ではない。
社会の活力を生み出す施策がなく、バラマキが目立つのは、この国の将来像を描けていないからではないか。その軸があれば、掲げた項目相互の関連や、目標と施策の関係などが、きっちりと図解できるはずである。このままでは、単なる項目の羅列に過ぎない。政府と民主党は国の将来像を明確にし、それの実現への道筋をしっかりと見極めてて欲しい。