普天間飛行場の移設は事実上ご破算

普天間飛行場の移設は事実上ご破算になった。アメリカは「地元同意がない移設先の代案が出ても交渉できない」との考えを日本側に伝えていることを21日、日米関係筋が明らかにしたと共同通信が報じている(ココ)。

米政府は2006年に日米合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への現行計画が「最善の道」と一貫して主張。一方で、首相が5月決着を決めた昨年12月以降、代案に関する条件を、(1)受け入れる地元側の同意(2)連立政権内の合意(3)海兵隊の一体運用の確保―とする対処方針を決めた。特に地元同意を交渉入りの条件として重視している。

この三条件のうち、前二つはどう考えてもても無理。米側は移設先の再検討に応じないとは言っていないが、実質的には先の日米合意を履行するかご破算にするか、どちらか一つだと言っているに等しい。現政権がこの三条件を満たす案を提示できるはずは無く、そうとすれば行き着く先は普天間飛行場移設に関する日米合意は白紙に戻り、その責任は現政権が負うと言う道筋しか見えない。
民主党は選挙に際して県外・国外移設を訴え、政権発足直後に現行案の見直し方針を確認し、名護市長選で県内移設反対派を支持しただけに、今更現行案に立ち戻れないだろう。確たる目途もなしに八方美人を目指して八方塞がりに陥った。これも外交・安全保障を選挙や政局に利用し玩んだツケである。鳩山政権及び民主党にとって致命的とも言うべきダメージだろう。