普天間移設先代案に関する米側の条件に思う

鳩山首相が5月末までに普天間飛行場の移設先を決着させようとしているが、米側が提示した代案の条件の一番目と二番目は、鳩山政権が言って来たことを逆手に取ったもの。即ち、鳩山政権は地元の合意が得られないことを以って先の日米合意を履行できないとし、決着を急ぐと連立政権が持たないとして決着を先送りして来た。米側はそれじゃ代案はその二つをクリアしてなければ、交渉の対象にはなりませんよと言っているのだろう。二国間の合意より地元及び連立三党の意見の方が強いなら、先にそちらを片付けていらっしゃいと、鳩山政権の論理をそのまま投げ返して来たもの。
また三番目の海兵隊の一体運用が可能なことと言う条件は、基地が当然持たねばならぬ機能であろう。それをわざわざ言って来たのは、普天間基地が連合軍指定基地であることすら知らなかった無知と軍事音痴に呆れて、予め釘を刺したのではなかろうか。
このような三条件の提示は、大人が子供にモノを教える態度のように感じる。馬鹿にされたのか、憐れんでいるのか、或いは日米関係を拗らせないよう、最大限の我慢をしていることの表れなのか、何とも情けない。鳩山政権はこの三条件を充たす代案を出せるのだろうか。まず無理だろう。そうなると普天間飛行場の移設に関する合意は全部ご破算となり、現状のままとなる。きちんとした方針も目途もなしに、空念仏を唱えて来たツケを払わなければならぬ時期はもう目の前に迫っている。鳩山首相は3月中に案を纏めると言っているので、あと1週間ちょっと。どうするのか注視しよう。