天平の昔に肉食

天平役人が禁断の肉食…平城宮トイレ穴出土」によると、平城宮跡で、奈良時代の官庁があったとされる「東方官衙地区」で発見されたトイレとみられる穴から、ウリなどの種や果実とともに、牛や豚に含まれる寄生虫の卵が検出された。このことは当時の人が牛や豚を食べていたことを裏付けるもので、文献や木簡で推測されていた肉食を裏づける史料が出土したのは始めて。
考えて見れば食糧の乏しかった大昔、肉食はごく自然な行為と言うべきかも知れない。それが行われなくなったのは、規制する力が作用したためと解するのが正しいのだろう。