若者の失業率が何故高いのか

景気が思うように回復せず、失業率がなかなか改善されない状況が続いている。その中で若者の失業率が高いのが目を惹く。
以前或る人が、求人があっても自分に合った仕事がないので、なかなか就職できないと言う。それを聞いてその人に、そんな甘ったれた考えは通用しない。世の中で必要とされる能力を身に付けなければ仕事にありつけないのは当たり前。ニーズを満たしていなければ売れないのは商品だけではない。採用側のニーズを満たさなければ、仕事を手に入れることは出来ない。このようなことを言った覚えがある。
今日見つけた『若者の失業増加は不況のせいだけにあらず! 雇用を低迷させる「得体の知れない壁」の正体を見破れ』に同じような趣旨が述べられていた。一部を抜き出すと、

・若者の失業率が上昇している大きな原因の1つは、若者と採用側のニーズがうまくマッチしないケースが増えているためと思われる。
・10人採用できる余裕があっても、求人を出して目当ての人材が来ないと1人も採用しない企業が増えている(人材会社の社員)
・これまで日本企業は、若者にあまり専門的な知識を求めず、「教育は会社に入ってから」と考え、学歴や性格を重視した採用を行なっていた。
グローバル化による国際競争に対応するため、語学、国際感覚、法律知識、専門技術・スキルなどに長けた人材を求める傾向が強くなった。その結果、単に「進学校をよい成績で卒業した」ということしか取り柄のない若者が採用される機会は、以前と比べて相対的に減っている。
・ただでさえ、単純業務を続々と新興国アウトソーシングする企業が増えている現状において、業務の経験やノウハウに乏しい若者の選別が厳しくなっているのは、むしろ当然のことかもしれない。
・問題は、企業の採用方針がこれほど変化しているにもかかわらず、若者や教育機関の意識がまだそれに追いついていないことだ。
・論じるべきは、不況をきっかけに本格化した労働市場の変質に、今後若者自身や彼らをサポートする教育機関が、どう対応していくか(労働政策研究・研修機構)だろう。

どの大学を出たとか、良い成績で卒業したなどと言うことは、採用側にとっては何の意味もない。何が出来るか、どういう能力を持っているか、採用したその日から独り立ちして仕事が出来るか。これが採用側の関心事である。仕事を求める側はこのことをしっかりと認識し、世の中のニーズに合った能力を身に付けることが必要である。