戦時中英語教育を廃止という誤った風説

昨日JB Pressの『なぜ日本人の対中親近感は急降下したのか 実は昔と何も変わっていない中国〜中国株式会社の研究(92)』と題する記事を読んでいたら、最後近くに、『第2次大戦中、日本は敵国である米国や英国を「鬼畜米英」と呼び、英語教育を中止して、一人溜飲を下げていた。』という一文が有った。何故このような事実に反する風説が罷り通るのだろうか。戦時中に私が通った中学校で英語教育は行われていたし、教科書は文部省発行であった。
何年か前に「natsuka.netみんなの広場」でこの件が話題になったことがあり、その時のログはnatsuka.net管理人のご希望により、拙サイトに保存してある(ココ)。この件が話題になった後、小学校の同窓会があったので、その席で英語の授業が廃止になった所があるか尋ねたが、一校も無かった。
だが、英語教育を止めた学校も確かに存在したことを、後になって偶然知った。従兄弟の奥さんの学校である。
その学校が英語教育を止めたのは、国の方針であったとは考えられない。何故なら前述したように文部省が英語の教科書を発行していたこと、並びに私を含めて小学校の友人達が通った学校が全部英語教育をやっていたからである。
そこで英語教育を止めたのはその学校単独の行為だったのか、県立の女学校だったので県の方針によるものだったのか、学校と県教委に問い合わせたが、昔のことで判らず終いだった。この件を何とか突き止める方法は無いかと思案しているが、件の「第2次大戦中、英語教育を中止し、・・・」と記述した人は、確たる根拠に基づいて書いたのだろうか。根拠があるなら是非知りたい。
私や友人が通った中学や女学校など多くの学校が、国の方針に抵抗して英語教育を続けたとは考えられない。英語教育を廃止したというのは、私は根拠の無い風説だろうと思う。問題はそのような風説が生まれた理由であって、それを明らかにする必要があると思う。