フライト・ドクターの対談

ドクターヘリでの出動回数の多い千葉・松本、兵庫・小林、長崎・高山の三人の医師の対談。大いに感銘を受けた。
出動要請を受けてから飛び立つまでの時間は平均3〜4分だが、大事なのは要請し易くするための工夫だと言う。良いものを作っても利用し易くないと有効に活用されず、仏作って魂を入れない結果になる。皆さんここが肝心だと仰る。確かにその通り。
ヘリを使うのは速く行けるからで、ヘリは移動手段に過ぎない。車でも自転車でも一番速く行けるものであれば何でも良いのだと言う。これも成る程だ。
東日本大震災で応援に出動した時のこと。福島空港へ飛び、そこで給油して被災地に飛ぼうとしたが、給油で順番待ちをさせられたとのこと。急ぐように要請してもルールが無いからと順番待ちで一時間も掛かり、一刻も早くと気が焦るばかりで、口惜しい思いをしたと言う。折角遠くからドクターヘリに来て貰いながら、有効に活用する臨機応変の措置が取れないとは、魂を折れることを知らない硬直した仕事振り。全く情け無い。これも想定外だからとでも言うのだろうか。
教えられる点の多い対談だった。