異星人菅首相の異次元感覚

読売も今朝の社説で、原爆忌の6日に広島市で開かれた平和記念式典で、菅首相が「原発に依存しない社会」を目指す考えを改めて表明したが、「脱原発依存」はそもそも個人的な見解だったはずで、それを世界の注目する記念式典で持ち出したのは鎮魂のセレモニーの“政治利用”ではないかと、昨日ここに書いたのと全く同様の批判している(ココ)。まともな感覚の持ち主なら誰しも同じ思いだろう。
経済企画庁長官で福山大学客員教授田中秀征氏は、菅首相脱原発依存論議について厳しい批判を浴びせている(ココ)。かいつまんで言うと、福島原発の事故で放射性物質が悲惨したことを、災害で檻が壊れ、多くの猛獣が飛び出して町や村に逃げ込んだ状態に譬え、汚染牛肉問題をそれによる被害の拡大であって、現在の急務は檻を補強してこれ以上猛獣が逃げ出さないようにすることと、既に逃げ出した猛獣が更なる被害を及ぼさないようにすることと、被害の救済である。
今の時点で脱原発を論じるのは、町や村で猛獣が暴れまわっているのをそのままにして、猛獣は危険だから猛獣を飼うのをやめようなどと言うのに等しい。先ずは猛獣を見付け出し、被害を食い止めることに全力をあげるのが急務と言うのは正しい。汚染牛肉問題や汚染米問題は起こさないで済んだかも知れない。猛獣が暴れまわっているのに手を打たず、猛獣は危険だから将来飼うのをやめようなどと、今言うのは酷いピント外れと言うのはその通りと思う。いずれにせよ、原爆忌で個人の見解を口にしたのとともに、異次元の感覚と言われても仕方無い。