大飯原発も伊方原発も地震が起きた時制御棒を挿入できるのか

地震が発生した時、原発の安全を保つために真っ先に求められるのは、原子炉を停止させる「制御棒」が正常に挿入されることだ。制御棒が挿入されないと、核分裂の連鎖反応が起きてしまう。ところが、大飯原発では本当に制御棒が挿入されるのか、疑惑が持ち上がてっていると言う。
愛媛県中村知事は伊方原発を視察し、県が要求した非常用電源の確保状況などについて「誠意を持って対応している」と四電の安全対策を一定評価したと言う(ココ)。
同記事によると、中村知事は四電に対し、想定する最大の揺れである基準地震動の2倍以下しか耐性がなかった機器には、速やかな耐震補強をあらためて求めた、そして福島第1原発事故後に四電が設置した電源車や配電ルート、冷却用海水の取水設備などを確認した上で「電源と水があれば原発の暴走は止められる」との見解を披露した。
中村知事の視察が同記事が報じる通りとすると、知事も大甘と言わざるを得ない。伊方原発中央構造線の間の距離を考えると、s波とp波が到達する時間差は1秒以下である。これで制御棒を挿入出来るとは考えられない。制御棒を正常に挿入できないと、核分裂の連鎖反応を停めることは出来ず、想像するも恐ろしい事態に立ち至る。次に四電が想定する基準地震動が小さすぎることの認識がないびが大問題である。こんな弱い地震動で大丈夫でも、強い揺れが来たら配管や格納容器などが本当に無事だろうか。専門家が再三指摘しているのに何故耳を傾けないのか理解できない。更に、電気無しで動作するベントシステムを付ける話も無い。
こんなことでは伊方原発大飯原発も全然安心できる状態ではない。再稼動などもっての外である。危機管理や安全対策にもっと腰を据えて取り組むことが先決だ。