桐光学園のピッチャー松井のスライダー

松井は初戦と第二戦は三振を22個と19個も奪ったが、今日の試合は途中まで打たせて取る投球を続けて、終盤の2回だけ奪三振ショーを繰り広げた。
松井のスライダーは始めのうちはキャッチャーが取れなかったと聞く。初戦の今治西のバッターは球が消えると言ったそうだが、キャッチャーが取れない球では無理はない。
フォークボールの元祖杉下が、フォークボールで並み居る強打者を沈黙させた年の話。打撃の神様と称された川上がフォークボールを空振りした時、キャッチャーに向かって「あんな球、キャッチャー取れるのか」と言った。キャッチャーが取れる球なら打てると言うのが川上の信念だったのだ。レッドソックスナックルボーラーのウエイクフィールドには専門のキャッチャーが居た。そのキャッチャーでないとウエイクフィールドのナックルを取ることが出来なかったからである。そんな球ではバッターが打てなくても当然かも知れない。
松井のスライダーがどんなに凄いのか、バッターの目にどのように映るのか、センターからのカメラでは判らない。テレビで見た感じでは、他の投手のスライダーよりバッターの近くに来てから、鋭く且つ大きく曲がるように見える。松井のスライダーは通常より球速が有り、回転量が多いのだろうか。ネット裏から映してくれれば、バッター目線に近くなり、ピッチャーの球の威力を感じる事ができる。一試合全部でなくても良いから、松井のスライダーをネット裏から映して見せて欲しいものだ。