原発の基準地震動の考え方

今朝の愛媛新聞によると、旧原子力安全委員会原発耐震指針の策定に携わった、石橋克彦神戸大名誉教授(地震学)は、「少なくとも全国で過去に観測された最大の地震の揺れを、全原発で一律に考慮するべきだ」と提言し続けて来たと言う。現段階で採るべき態度はこれしか無いと思う。
東日本大震災や新潟の地震などで各原発を襲った揺れは、大飯原発で想定している最大の揺れを5回も超えている。想定を超えたのは地震動だけではない。津波も同様である。
東日本大震災で各原発を襲った津波は、総てが想定を上回った。昔の人はかって津波がここまで来たよと、各地に目印となるものを残して呉れている。東日本大震災津波は先人が残して呉れた目印まで到達した。各原発の計画時に津波の大きさをどう言う理論で計算したのか知らないが、総て過小評価と言う結果に終わり、大参事を招くこととなった。過去の最大値を想定するべきだと言う石橋名誉教授の提言に従っていればと悔やまれる。
その石橋名誉教授が「少なくとも」と言うのは、地震の揺れにしても津波の大きさにしても、過去の最大値より大きいものは将来とも来ないと言う保証はないからであろう。今はっきり言えることは、「過去に起きたことはまた起きる。」である。
原発でもしものことが起きたら取り返しがつかない。だからこそ慎重を期さねばならないのに、大飯原発伊方原発も基準地震動の想定が甘すぎ、論外と言うほかない。こんな大甘な想定に終始するようでは、原発の再稼働を許す訳には行かない。