片仮名言葉乱用の危険性

人質となっている後藤さんの一刻も早い解放を祈るしか手の打ちようがないのがもどかしい。
所でこの件に関連した記事の中で、日本の中東援助の目的を「地道なインフラ整備」と言っているがその文言の英訳が拙く、それが誤解を招いた可能性が有ると指摘していた。英訳文では「地道な」が省かれていて、単に「infrastructure」となっていた。言いたい意味は道路や鉄道などの基幹施設の整備を支援すると言うことだが、単に「infrastructure」と訳したために、「軍事施設」の整備を支援すると誤解された可能性が考えられると言う。
この指摘が正しいかどうかは知らないが、カタカナ用語の乱用が非常に危険であることは間違いない。近年誤用されている片仮名言葉の例として、「リベンジ」や「リストラ」などが挙げられよう。リベンジを雪辱の意味に使っている例が多く見受けられるが、この言葉のそのような意味はない。これは復讐或は敵討ちを意味する。外国人が聞いたら決闘をするのかとびっくりすると聞いたことがある。リストラはrestructureを縮めたものだが、restructureとは再構築或は構造を改革すると言う意味で、人員整理や解雇の意味は無い。どちらも意味を取り違えた和製英語である。
正確な意味や概念を把握せずに無暗に外国語を使うべきではない。開国に当たり、それまでの日本語では表せない西洋の文物や学問に必要な言葉を、明治の先人達は必死になって創り上げた。その明治の人たちの努力があったればこそ、ノーベル賞クラスの研究も、最先端の科学技術も、哲学や経済も、日本語で表すことが出来、母国語で学ぶことも出来るのだ。明治の先人達に感謝し、日本語のあり方を真剣に考え直す時期に来ているのではないかと思う。