marugenさんと永井コーヒーへ

昨年末から毎月一度、永井コーヒーへ行き、マスターお薦めのストレートコーヒーを、マンデリン、サントス、コロンビアの順に試す。美味い。お蔭でコーヒーの本当の味を知ることが出来た気がする。
日本茶でも同様の経験がある。まだ学生だった時のことだが、田舎の祖父にお茶を入れて貰った。祖父は小さな鉄瓶を火鉢の火に掛け、常に湯を沸かしていた。その湯でお茶を淹れて呉れたのだが、その茶は盃ほどの小さな茶碗の底にほんの一舐めの量。だがそれを口に入れると、お茶の香りと味が口一杯に広がり、その余韻は長く続いた。これがお茶かと本当に驚いた。この一度の経験でお茶の味と言うものを知った気がする。
その時のお茶の葉はそんなに高価なものではない。静岡でお茶を作っているお婆さんが、自分が造った茶葉を担いで時々行商に来ていた。それを買って祖父の所にも送っていた。毎日飲んでいたお茶の葉であのような味が出せるなら何とか自分でもと色々やって見たが、最後まで足元にも及ばなかった。どうしたらあんな味を出せるのか、不思議でならないが、懐かしい思い出である。
本物を知るには本物に接することが肝要と知った出来事であった。