プロジェクトX−−首都高速を造った男達

今日のプロジェクトX首都高速建設に携わった男達の話。東京オリンピックに間に合わせろるため、失敗の許されない待った無しの仕事。
あの年、NHKはスローモーション・ビデオを作るため、その電源装置用のシリコン・パワー・トランジスタを発注して来た。これもオリンピックに間に合わせるために突貫作業。そのシリコン・パワーTr.は日本初のシリコン・デバイスで、開発を終わり試作品をサンプルをぱらまいたら、いきなり注文が来てしまった。当時はまだ真空管が優位で、回路技術者にとってもシリコン・デバイスは初めて見る代物。こういう場合、使い方などの検討に長時間掛かり、注文に結びつくのは通常は一年後。だから我々デバイス・メーカーはその間に量産設備を整える。
それがいきなりの注文。予想もしていなかったのでこちらは大慌て。何としてもオリンピックに間に合わせるのだと向こうも必死。試作装置で何とか作り上げ、辛うじて間に合わせることが出来た。オリンピックが始まると、競技が終わる度にスローモーション・ビデオでリプレイが流される。それを見て今日も無事だったと、オリンピックが終わるまで冷や冷やの錬続。
首都高速建設の話を見ていて、あの年の騒動をふと思い出した。そのパワー・トランジスタ開発に当ってお世話になった上司のFさんも今は亡き人となり、当時を知る者は少なくなった。