男系天皇を維持しないで良いのか

皇室典範改正問題が漸く注目され出したようだ。この問題を考えるに当たって、単に女帝を容認するかどうかだけに目を奪われてはいけない。男系天皇を維持するかどうかが根本問題のはずである。過去の女性天皇は言うならピンチヒッターであって、あくまで男系を維持して来た。女系天皇がいけないと言うのではない。今まで男系を維持して来た伝統を簡単に捨て去って良いのかと言う問題である。今男系天皇制を放棄したら長い伝統を捨て去ることになる。そうなっては皇室を維持する意味が無くなりはしないか。古より権威と権力を分立して来た民族の智恵の根幹に関わる問題である。権威のシンボルとしての天皇の存在意義は、長い歴史にある。歴史を捨てることは天皇制の意味を失うことになる。その場合、権威のシンボルを何に求めるのか、変わり得るものがあるのか。男系天皇を放棄する場合にはそこまで考えなければならないはずである。有識者会議とやらで議論しているらしいが、その結論だけで決めて良いことではない。広く国民全体の議論を喚起すべきである。有識者会議で「皇族方の意見を聴く考えは全くない」「意見を聴くことは憲法に反する」などと発言しているそうだが、とんでもないことで、思い上がりも甚だしい。会議の議事録を完全公開して、国を挙げての議論に発展させるのが本筋である。首相の英断を求めたい。