大和の最期

昨夜と言うか今朝というべきか知らないが、深夜番組で「大和の最期」を、三田尻を出港する場面から見た。戦闘場面が非常にお粗末。ナレーションで米軍は艦隊決戦で容易に倒せる相手ではないので、空からの攻撃に切り替えたと語り、戦闘は1時間50分に及んだと言いながら、映像では爆弾が一発当たり、魚雷が一発命中した次の場面で、もう艦内に海水がなだれ込み艦の機能を喪失したかのように描いている。大和はナレーションで語った通りそんなやわな艦ではない。だからこそ2時間近くも戦闘が続いたのに、映像ではその凄絶な死闘が全然感じ取れない。
また、大和の大爆発は海中で起きたはず。それを爆発を起こして沈んだように描いているが、とんでもない間違いだ。今ひとつ、大和の沈没を「轟沈」と表現していたが、これは轟沈の意味を知らないことによるとんでもない間違い。轟沈とは砲弾あるいは魚雷が命中して瞬時に沈むことを言う。2時間近くも戦った大和や両軍の戦士達に対し失礼な表現である。
見終わってこの映画は何を語りたいのかさっぱり掴めなかった。大和やあの戦争の意義、或いは大和を巡る人間模様を描こうとしたのかと思うが、生半可の知識でやわい描き方では何の感銘もない。