ベルリンで棋聖戦第一局始まる

昨日から棋聖戦の第一局がベルリンで始まった。羽根直樹棋聖山下敬吾九段が挑戦する。テレビの囲碁中継を見なくなって久しいが、昨夜YOMIURI ONLINE棋聖戦の生中継を見れることを知り、早速ダウンロードして観戦。先番の山下九段は序盤意欲的な打ちまわしを見せたが、羽根棋聖の右上隅60の掛かりに対し、左辺で抱えている一子を抜いて勢力を生かす方が簡明ではなかったか。白に右下64と切られて局面が紛れて来た。この一手からの応接で、白は確定地を持ちかつ勢力を築いてしまったので、黒が逆転するのは難しそう。だが黒は右辺の白の襲い掛かろうとしている。乾坤一擲の勝負に出たのだろう。
山下九段がアマチュア囲碁選手権に始めて出場した時はまだ小学生で、可愛い坊やだった。その坊やが今は無冠だがタイトルを争う27歳の青年である。結城少年が登場した時も覚えているが、その少年も今は結城聡九段。かって呉清源以下、坂田、高川、藤沢らの時代の次に、大竹、石田、武宮、加藤、趙、小林らが活躍した時代が続き、今はその次か、次の次の時代。荒城の月ではないが光は移ろい、覇者も次々と変遷する。かっての山下坊やの挑戦を受ける羽根棋聖も二世。若き二人の熱戦を期待する。