東証のシステム処理能力に思うこと

NIKKEI NETによると、今日、東証が処理能力の上限を引き上げたと言う。それによると、約定件数の上限を450万件から500万件に引き上げ、一方注文件数の上限は従来通り850万件のままとの由。ニューヨークは現在約定件数が500万件、注文件数は5000万件が上限で、更に増強する計画と聞く。
東証も今回の措置で約定件数はニューヨーク並となったが、ここに至る経緯と注文件数が大きく違うの点を注目すべきであろう。
ニューヨークではだいぶ前に、処理件数が急増したことがあり、それを教訓として処理能力の増強を図ったという。それが何だったかは忘れたが、一つの出来事から将来起こり得る障害の兆しを検出し、直ちに手を打って障害の発生を未然に防止する態度には感心させられる。この態度は証券取引に限らず、様々な分野で目に付く。東証はニューヨークの動きを知らなかったのだろうか。
今ひとつ、ニューヨークは注文件数の上限を約定件数の上限の10倍に設定しているのに対し、東証は2倍以下である。この比率の違いはどのような理由で生じたのだろうか。東証の設定は甘すぎるのではないか。取引成立1件に対する注文件数がどの程度になるのか実績を知らないので何とも言えないが、東証の2倍弱という設定は余りにも小さ過ぎ、合理性を欠くような気がしてならない。この不安が杞憂であることを祈る。