トリノでは逆風吹き捲る

オリンピックでもその時々で風向きが異なり、今回のトリノでは日本に逆風が吹いているようだ。昨夜のスケート500mでは、加藤の前の組が2人共転倒し、傷んだ氷を直すのに10分近く掛かってしまった。スケート靴は長い間履いていられないのだそうで、10分も余分に履いていると足がしびれて来ることもあると解説の堀井が話していた。更に加藤は補修の具合を確かめようとしたのか、補修の間立ちっぱなしだった。これでは足に疲労が溜まるのは当たり前。座って待って居られなかったのは気負いだったのか、焦りだったのか。少なくとも平常心を失っていたのではなかろうか。加藤はすっかり調子を狂わせ、一回目は平凡な記録に終わってしまった。二回目は好タイムを出しただけに、このトラブルに遭ったのは不運だった。
スケートだけでなく今回は全般に悪い方へ悪い方へ風が吹いている感がする。一昨年は逆で順風が吹いていた。ハイレベルの争いでは僅差で勝負が分かれるだけに、風向きに恵まれなければ勝てない。風向きは意志や努力で左右出来るものではないが、不屈の精神力で平常心を保つことが出来れば、逆風を増幅することは避けられるのではなかろうか。