日本語入力に適したキーボード(その4)

引き続いてアルパカ様のご質問にお答えしながら、キーボードと日本語入力の思い出を綴ってみます。
> ところで、imajou様がキーボードに触れたのはいつ頃だったのでしょうか?
> 親指シフトのお話からすると、4,50代?
> お仕事で使わざるを得ない状況ではなかったか?と愚考する次第です。
キーボードに初めて触れたのは40代後半でした。機種はシャープの最初のPCで、MZ××(忘れました)。そのころコンピュータを使うには専門知識が必要でしたが、そんなのは商品ではない、馬鹿チョンになったら使ってやるなどと嘯いていたのですが、或ることから、コンピュータが判らないとこれからは仕事にならないと痛感し、街の電器店に飛んで行きました。すると年端も行かない子供がPCで遊んでいて、コントロールCがどうのこうのと喋っているのですが、何のことか全然判らず、予想を越える世の中の進展に愕然として、その場でシャープのPCを買ってしまいました。
家に届き早速スイッチを入れたのものの、画面に訳の判らぬものが表示され、それから暫くの間四苦八苦が続きました。幸いだったのは、当時のPCは現在のように高度化されていないので、余分なものは何も無く、コンピュータの原理そのままを組み立てたようなものだったことです。動かしているうちに次第に構成が見え出し、どうすればどうなるかが判って来ました。そうなると、文書も打てる筈だと考えるようになりました。勿論自分で出来るものではないのですが、いずれそのようなマシンが出来ると確信するようになりました。それは字が下手なので、そのようなマシンが欲しいと言う願望だったかもしれません。後で知ったのだが、実はもうワープロが出来ていたのでした。
その翌年か翌々年だったと思いますが、OASYSが職場に導入されました。しかし皆恐れをなして使おうとしませんので、仕方ない、俺が使ってやると実験台を買って出ました。正直言いますと、内心ではしめたと思っていたのでした。誰も手を出そうとしないので、以後そのマシンは事実上私の専用機になってしまいました。
OASYSを使うに至った経緯は以上の次第ですが、使うに当たって、最初からブラインドタッチを狙いました。それには理由があります。キーボードと画面と原稿を交互に見るようでは、その都度距離と明るさが違うため、眼球は調節を繰り返すこととなり、大変に疲労します。これを避けるには画面だけ、或いは原稿だけを見るようにしなければなりません。それにはキーボードは一切見ないで打鍵することが絶対要件となります。これが出来るかどうか自信はなかったのですが、案ずるより産むは易しで、一週間で出来るようになりました。スピードはまだ問題外です。後日或る人にこのことを話したところ、それは可能だ、凡そ4〜50時間で出来るようになるとのことでした。
キーボードを見ないで打てれば、文章を作る際には画面だけを見ていれば良く、原稿を打ち込む際には原稿だけを見れば済みます。ここでOASYSの辞書が前回使用した語をトップに置く方式であったことが物を言いました。出現頻度順に並べる方式ではどの語が出て来るか判りませんので、変換の都度、画面で確認しなければなりません。つまりOASYSだからこそ出来た芸当だったと言えそうです。(続く)