松下電器は体質一新か?

natsuka.net 応接室」に松下電器のタフブックの記事を読み、検索したら「PCは鍛え抜かれてタフになる」を見つけた。早速読んで見て、あの松下がここまで来たかと感慨一入であった。昔同社はマネシタ電器と揶揄され、技術は二流と見られていた。或る時我々の部門でトランジスタの生産が需要に追いつかず、松下の同種のトランジスタを購入しようとしたことがある。サンプルを取り寄せて品質をチェックしたところ、箸にも棒にも掛からぬ酷い成績で、商談はご破算となってしまった。その頃同社の製品で信頼されていたのはTVだけで、そのほかは技術的に見るべきものが無く、商売上手に支えられていたメーカーだった。パソコン事業を再開した時富士通に支援を要請し、同じものを売り出したがさっぱり売れなかった。まるで信用が無かったのである。何しろ標準化の意識がなくて、コストダウンと称してインターフェースを勝手に変えてしまい、提携先の富士通から抗議を受けたこともあった。PCについても家電製品と同様、コストしか頭にない会社だったが、タフブックを作り上げたのは同社の体質が一新され、漸く本物の技術が成長して来た証拠と見てよいだろう。健闘を期待しよう。