バーミヤン大仏から胎内経

愛媛新聞バーミヤン遺跡で「胎内経」とみられる経典の一部の経文が見つかったことを報じている(ココ)。

バーミヤン大仏から胎内経
【カブール11日共同】アフガニスタン中部の世界遺産バーミヤン遺跡で11日までに、旧タリバン政権が破壊した東西2体の大仏立像のうち、東大仏の残骸の中から6−7世紀の文字で書かれた「胎内経」とみられる経典の一部の経文が見つかった。専門家の解読から、7世紀にバーミヤンを訪れた中国の僧、玄奘三蔵が漢訳、日本にも伝わった「縁起経」の梵語サンスクリット)原典に相当するものと判明。建立時に大仏内部に納められた可能性が高く、謎に包まれた大仏建立の経緯解明にもつながる第1級の発見だ。
経文は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の協力機関、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)のドイツ調査隊が発見。関係者を通じて仏教大の松田和信教授が解読した。仏像に納められた経文は日本などでも例があるが、アフガンで見つかったのは初めてという。経文の解析が進めば、バーミヤン研究の飛躍的な発展につながりそうだ。
松田教授によると、経文は北インドからパキスタン、アフガンにまたがる地域で6−7世紀に使われた「ギルギット・バーミヤン第1型文字」で書かれていた。縁起経は、万物は永遠不滅ではないことを説く代表的な経典。仏教思想の根幹を表し、これを「縁起」という言葉で表現する。
経文の内容は、ブッダが修行僧に対し「あなた方に縁起(の要点と詳細)を説明しよう。(それを聞いてしっかり)正しく(考えなさい)」などと説く冒頭部分だった。
調査隊のエドムント・メルツル氏によると、経文は短冊状の樺の樹皮に書かれ、仏舎利ブッダの遺骨)に見立てたと考えられる泥玉とともに、布に包まれた状態で見つかった。花の模様をあしらった円形の金属板も一緒に見つかったため、筒状の容器に入っていたとみられる。
直径約1センチの指輪型の土でできた印章も見つかり、蛇と、耳のある鳥のような動物の彫刻が施されていた。特定の集団が使用していた図柄とも推測され、大仏を建立した寄進者を特定する手掛かりとなる可能性もある。

たりばんが石仏を破壊したのは憤りを禁じ得ないが、その残骸の中からこんな凄いものが見つかったのは驚きである。今回見つかったのは経典の冒頭部分らしいが、残りも何とか見つけて欲しい。