異常に多いアクセスから双葉山を思う

昨日と今日、アクセス数が異常に多い。調べて見ると、「けたぐり」で検索して訪れているようだ。恐らく朝青龍のけたぐりが批判された結果であろうが、「けたぐり」と言う技に対する関心と、朝青龍が下位の者に対してこのような奇襲戦法を使ったことへの批判に対する関心の両方が含まれていると思われる。
往年の大横綱双葉山が連勝街道を驀進している時、相手力士は何とか双葉山を倒そうと様々な作戦を立てて臨んだ。しかし双葉山は仕切りの中で相手の作戦を見抜き、たとえ時間前につっかけられても受けて立ち、立った時には先手を取っていたと言う。また相手がつんのめって手を離せば落ちてしまうような態勢になっても、相手をわざわざ起こして土俵の外まで持って行ったと言う話を、昔入院中に、隣の部屋に入っていた立浪部屋の若者頭から聞いたことがある。
双葉山羽黒山、名寄岩と三人が揃った立浪部屋全盛時に、稽古で羽黒山が名寄岩に横から押させてびくともしなかったそうだ。名寄岩は片手一本で相手をつり出すと言われた怪力の持ち主。大関まで上がり、一度陥落して幕尻まで落ちながら、また盛り返して大関に返り咲いた経歴を持つ。その名寄岩を寄せ付けなかった羽黒山が、双葉山には歯が立たなかった、また双葉山は二枚腰と言われたが、若者頭はそれどころじゃなく三枚腰だと語っていた。
その双葉山は69連勝がストップした場所、三敗を喫し、精神修行が足りないと言って場所後瀧に打たれて修行した。まさに王道を行く大横綱だった。双葉山は実は片方の目は義眼だったため、死角がある。まだ番付が下の頃、立会いに相手が横に飛んで視野から消えてしまった。それを待ったしたのかと戻りかけたところを押されて負けたことがある。これでは相撲を取れないと止めようとしたのを、協会が片目であることは秘密にするからと説得し、続けさせたと言う。この話の真偽は知らないが、片方が義眼だと言うことを世間一般が知ったのは引退後だったので、事実だったのかも知れない。双葉山はそのハンディを克服してあの大記録を成し遂げたのだから、立派というか、凄いと言うか、これぞ心技体の最高を究めた力士である。その双葉山を手本として、全力士が精進して欲しいと思う。