中国雲南省でペンキ塗って「山を緑化」

雲南省昆明市内の富民県で、同県林業局がペンキを使って山の岩肌数千平方メートルを「緑化」していたことが明らかになった。新華社は13日付で「周辺住民も当惑を隠せない」などと報じた。
現場は石の採掘場跡で、約10人の作業員が20日以上かけてペンキの塗布を行ったという。周辺は冬期であるために、低木などがくすんだ色を見せているが、「緑化作業」の対象地帯だけは鮮やかな緑色だ。

余りのレベルの低さに非難・失笑・落胆、それだけの費用があれば、山全体に植樹することも可能だったはずだ」という周辺住民の憤りの声が紹介されている(ココ)。
落語のような話に思わず笑ってしまうが、かっては日本でも宅地造成に際し、緑が育つまで緑の塗料を吹き付けて誤魔化しているのを見たことがある。こちらは暫くすれば本当の緑で覆われるので、それまでの繋ぎではあったが、人間は同じようなことを考えるらしい。
このような行為は誤魔化しには違いないが、緑化意識が定着するまでの一つの段階と見ることも出来そうである。少なくとも禿山や土が露出しているより緑の方が良いと言う意識の芽生えである。これがいつか本当の環境意識に成長して行けば目出度し目出度しであろう。
この誤魔化しを目撃したのは、今から30年ちょっと前、昭和50年前後であった。高度成長期の中休みの時期だったと思う。中国は今現在高度成長のただ中にある。社会が有る程度成長すると、このような段階を経験するのだろうか。一面だけから断定するのは危険だが、人間の意識の成熟度が我が国と30年前後の差があると言えるのかも知れない。