ソ連崩壊の特集番組

深夜放送でソ連崩壊の特集番組を見た。この番組はソ連が崩壊し、CISが成立するまでの過程を追った特集で、確かに過程は判ったが、あの局面でエリツィンが何をどのように考え、何を意図したのか、彼の基盤は何だったのか、そこまで突っ込んで欲しかった。
それにしてもエリツィンの嗅覚は凄い。膠着状態で場面がどちらに転ぶか判らない際どい局面で、保守派が出動させた戦車の上から市民に呼びかけ、一気に世論を味方にしてしまった。この嗅覚と行動力が局面を反転させ、エリツィンを第一人者に押し上げてしまったと、この番組は描いている。戦車の上から市民に呼び掛けたことは当時のニュースで報じられていたが、保守派がもう少し明確な意思で行動していたら、その時点でエリツィンは殺されていたかも知れない局面だったことは、この番組で初めて知った。そのような微妙な局面で一気に情勢を転換させてしまう人物が、歴史を作るのであろう。この一事からもエリツィンは矢張り歴史に残る人物と評されて当然と思った。