ビーナス勝ち、セリーナ敗れる

ビーナス・ウィリアムズは強打の応酬の末、シャラポアを圧倒した。ビーナスはベースライン一杯或いはコーナーぎりぎりに決まる深く鋭い強打でシャラポアを詰まらせ、返球が甘くなるとすかさず決定打を放ち、常に主導権を握っていた。シャラポアは深く強打する相手に弱いようだ。ビーナスは自慢の強打で圧倒したものの、サーブのフォームが崩れているのが気になる。あれではダブル・フォールトが多いのも無理は無い。これをデビュー当時のフォームに修正すれば、もっと安定感が増すだろう。
セリーナは脚の故障のせいかも知れないが、精彩を欠き、エナンの上手い試合運びに終始強打を封じられてしまった。一回戦か二回戦では、ビーナスと同じように打ち合って相手の打球が甘くなるとすかさずエースを決める試合運びだったが、今日は勝手が違い、エナンに走らされた。エナンがリズムを狂わせたゲームは見逃さずにブレイクするのは流石セリーナと思わせたが、エナンは球のコースと緩急の組み合わせで、セリーナが安定した体勢で打つことを許さず、試合の主導権を離さなかった。エナンは深い打球を打たれても詰まること無く、ショートバウンドで的確に打ち返す。この技術が簡単に主導権を渡さない要因ではなかろうか。
昨夜と言うか今日の早朝の実況中継では、幸運にもエナン・シャラポア・ビーナス・セリーナと女子の実力者4人を一遍に見ることが出来た。ビーナスとシャラポア戦は手に汗握る強打の応酬と、やられたと思った球を切り返す美技に目を見張る激戦、エナンとセリーナ戦は打って変わって味のある試合運び。性格の全く違う試合に堪能した。